Q1無理やり書かされた遺言は有効ですか?

遺言は遺言者の真意によるものでなければいけませんので、他人からの強迫や、詐欺などにより書かれた遺言は無効です。加えて、無理やり遺言を書かせた者が相続人や受贈者であれば、遺言が無効になるだけでなく、書かせた者は相続・受贈する権利を失います。

また、本人が気絶していたり、病気等で判断能力や手を動かす能力がないにもかかわらず、無理やり書かされた遺言は、当然、本人が書いたものとはいえませんので効力はありません。もちろん、書かせた者は、遺言の偽造者として相続人資格を失います。


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Q2ビデオによる遺言は有効ですか?

ビデオによる遺言は、遺言の方的な方式にかなっていないため、法律上は認められません。遺言者が口頭で述べた様子と述べた内容をビデオにとって録音したという場合、本人の意思が確保されているようですが、書面の確実性に比べると不十分な点もあるため、法律的には認められていません。ただ、自筆証書遺言の作成の様子をビデオに撮っておけば、その遺言が本人の自発的な意思でされたことが分かるので、後日の争いを防ぐ役割はあるでしょう。ただし、この場合も、自筆証書遺言そのものが必要で、そのビデオ自体が遺言書にはなりません。


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Q3遺言の字が読めないときはどうすればいいの?

遺言書の文字が達筆過ぎたり、癖字で判読できない場合は鑑定を受けるのがいいでしょう。実際には、鑑定を出す前に、相続人の協議で結論を出して妥協してしまうケースが多いようですが、これでは遺言の一部不明の影響で、権利者になるべき者が協議に参加しなかったり、逆に無権利者になるべき者が協議に加わったりするおそれがあり、遺言が曲げられる可能性があります。鑑定をしても全く読めない遺言は無効となるしかありません。鑑定は、事案を調停に持ち込み、裁判所の鑑定によるのがいいでしょう。


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Q4遺言書が2通出てきた場合はどちらが有効か?

遺言はいくら書き直しても自由ですので、何通あっても要件をクリアーしていればそれぞれ有効です。
ただ、その内容が抵触する場合は、後の遺言により前の遺言が取消されたことになります。遺言者の気が変わり、遺言を変更するは自由だからです。
この場合、遺言が取消されたことになるのは抵触する部分のみで、一部抵触しているからといって前の遺言全体が無効になるわけではありません。
遺言の作成は、その日付の前後によりますので、1通が自筆証書遺言で、もう1通が公正証書遺言の場合でも、公正証書のほうが特に有効になるといわけではなく、あくまでも遺言書作成日の前後によります。つまり、後から作る遺言がどんな方式でも、法的な要件を満たしていれば取り消すことができるのです。


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Q5遺言に拇印が押されている場合は有効ですか?

自筆証書遺言には署名・押印が必要ですが、ここでいう印とは何をいうのでしょうか。
この印は特に実印である必要はなく、認印で構いません。
では、拇印の場合はどうでしょうか。
拇印は、厳密には印とはいえませんが、拇印は昔から慣行的に行われてきたものです。
拇印による遺言の有効性については学説も見解が分かれていますが、最近は、遺言の方式についての要件を緩和して解釈する傾向にありますので、拇印であっても有効であるとする説が有力です。
最高裁も『押印は指(拇)印で足りる』と判示しています。
ただし、拇印ではトラブルとなる元ですので、極力避けた方がいいでしょう。


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Q6署名・押印がない遺言書は有効ですか?

自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合、遺言者自身の署名・押印が必要です。
ただし、公正証書遺言や特別方式の遺言には例外規定があります。自筆証書遺言の場合、署名・押印がなければ無効となります。
この署名・押印はどの部分にあっても構いませんが、押印は署名についてされてなければいけません。
また、署名・押印が遺言書自体でなく、封書にある場合、遺言書と一体の部分に署名・押印があったとして遺言を有効とした判例がありますが、封印のある遺言は家庭裁判所で相続人が代理人の立会いで開封する必要があり、違反すると封筒が遺言書のものである証拠がなくなりますので注意が必要です。


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Q7遺言書の日付が間違っている場合は有効ですか?

遺言書の日付が間違っている場合があります。
例えば、暦に存在しない日(2月30日)場合や、遺言者が手術をした日など、遺言者が遺言を書くことがあり得ない場合です。
そもそも、遺言に年月日の記載が要求されているのは、最終的な意思確認のためですので、明白な誤記の場合は有効と解釈できる場合もあり、手術日に内容を書き、日付だけを後日遡らせて書いた遺言を有効とした判例もあります。ただし、日付は完全である必要がありますので、『1月吉日』と書いた遺言は無効です。


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Q8長男が遺言書を隠していたのですが・・・

民法では、遺言書を隠したりすると相続人の資格を失う『欠格』という制度があります。
この規定の趣旨は、遺言者の意思を妨害する者に一定の制裁を加えることによって遺言者の最終意思を実現させようというものです。
遺言の隠匿に当たるかどうかは、

(1)故意に遺言書の発見を妨げるような状態にしたかどうか
(2)遺言の隠匿により相続法上有利となり、または不利になることを妨げる意思があったかどうか

により、判断されますが、その解釈は微妙な問題です。

以下に隠匿に当たる例とあたらない例を紹介します。

隠匿に当たる例
典型的な4人家族(妻、長男、次男)の場合で、亡くなった夫は、生前に『遺産の全てを長男にやる』旨の公正証書遺言を弁護士に依頼していました。
夫は遺言書作成段階に、そのことについて長男に相談をしており、遺言書は亡くなった夫の金庫にあることを長男は知っていました。
しかし、この長男は、遺言書の存在を公表することなく遺産分割協議によって、遺産の全てを単独で相続しました。
しかし、あとになって、次男が長男の行為は遺留分減殺請求権の妨害行為であり、遺言書の隠匿に当たると主張しました。
しかし、裁判所は、公正証書遺言の原本は公証役場にあり、遺言書作成の証人、遺言執行者にも弁護士がなっており、当然遺言の存在は知っており、長男が遺言書の存在を公表しなかったことをもって遺言書の発見を妨げるような行為をしたとはいえないし、長男は遺言どおりの内容を実現しようとしただけで、協議分割によれば、むしろ遺留分以上の法定相続分を主張される可能性があるのだから、特に有利または不利妨害の意思があったとはいえないとし隠匿にはならないとしました。
しかし、遺言書がある場合は、キッチリと公表した方がいいのは当然です。
隠匿に当たらない例
上記と同じようなケースで、ただ遺言が自筆証書遺言であった場合です。
さらに、今回の場合、長男は裁判所に相続放棄伸長の請求をしてまで、他の相続人に相続放棄させようとしましたが、失敗に終わり、その2年後に相続税納付の件で税務署から呼出しを受け、これをきっかけにようやく遺言書を公表しました。
しかし、他の相続人から裁判を起こされ、一審では隠匿の故意まではなかったとされましたが、控訴審では遺留分減殺を恐れての隠匿に当たると判断され相続人失格となりました。

遺言書を隠匿すると最悪の場合『欠格』となり相続人の資格を失うので気をつけましょう。


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