Q1遺産がどれだけあるか分からない場合は?

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亡くなったお父さんの遺産がいったいどれくらいあったのかと悩んでいる人もいるかと思います。
また、父母が長男とだけ同居していた場合、長男だけが知る遺産があるかもしれません。

相続税の申告をしていた場合であれば、法定相続人全員の押印が必要なので、遺産の範囲を知ることができますが、この場合でさえ、ただ印鑑を押すように頼まれただけ、というケースも珍しくありません。
このような場合に、相手方の協力が得られないようであれば、遺産分割の調停または審判の申立てをして、相続税の申告書の写しの提出を要求することができます。
これでも、まだ相手方が非協力的であれば、家庭裁判所の調査官による調査があります。

また、多少の費用を掛けてでも、それを上回る隠し財産があると見込まれる場合は、民間の調査会社に依頼するといいでしょう。
予想外の遺産が発見されることもあるのです。


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Q2母の形見のダイヤを姉が勝手に取ってしまったのですが・・・

質問のケースのように、亡くなった人の宝石であるとか高価な時計を『形見分け』と称して勝手に持って行ってしまう人がいます。
そもそも、形見分けというのは夫婦・親子などの情愛から被相続人(亡くなった人)が使っていたものを分けることですから、経済的に高価なものは形見分けの対象とはなりません。
たとえ衣類であっても、それが市場に出しても値打ちのあるものであれば、それは相続財産の範囲に入るという判例もあります。

よって、被相続人(亡くなった人)が持っていた土地・建物は当然として宝石・装身具・高価な衣類などもすべて相続人の共同所有になります。
よって、質問のケースの場合、仮に相続人が姉と妹の2人のみでダイヤについての遺言がなかったのであれば、ダイヤの所有権は姉と妹がそれぞれ2分の1づつの割合で持っていることになります。
ですから、最低でも、妹は姉に対して、自分の相続分の2分の1にあたる50万円を姉からもらう権利(相続回復の請求権)があります。
姉が話し合いに応じないのであれば、遺産分割の調停または審判の申立てをしたり、相続回復請求の訴えを提起することができます。

ただし、この相続回復請求権は、原則として相続権を侵害された事実を知ったときから5年または相続開始から20年で消滅してしまいますので、注意して下さい。


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Q3弟が勝手に相続登記をしてしまった!

例えば、父親が亡くなって、その相続人が妻と長男と次男、長女の4人の場合、法定相続分どおりだと妻が6分の3で長男と次男と長女がそれぞれ6分の1づつ権利を持っています。

しかし今回の場合は、亡くなった父が生前に事業を営んでおり、その商売も長男が継いで、なおかつ母親の面倒もみていました。
加えて、遺産は店舗とその敷地がほとんどで、弟は大学卒業後に家を出て結婚してほとんど家のほうには顔を出していませんでした。
そこで、長男が遺産の全部を相続することに、妻と長女は同意していました。
しかし、弟がこれに反対し、勝手に法定相続分どおりの登記をしてしまいました。
たしかに、法律上は弟には6分の1の権利があるので違法ではありませんが、長男としては到底納得のできる話ではありません。

今回の場合、長男が家業に従事し、亡くなった父親の遺産の増加または維持することに寄与したといえるのであれば、長男は寄与分の主張ができます。
しかし、この寄与分も基本的には相続人全員の一致がないといけません。
当然今回の場合、弟は反対すると予想されます。
そういった場合は、長男は家庭裁判所に寄与分の額を定める審判の申立てをすることができます。
それと共に、弟が自分の共有持分を処分したり担保に入れたりできないように処分禁止の仮処分の登記をしておけばいいでしょう。


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Q4相続人が土地の登記に応じてくれないのですか・・・

登記名義を移さないうちに、売主が死んでしまい、その相続人の1人が移転登記に応じてくれないようなケースはよくあります。
こうなった場合、移転登記をするには相続人全員の実印と印鑑証明書が必要になるので、質問のようなことが起きてしまうのです。

どうしても、相続人の協力が得られないのであれば、裁判所に調停の申立てをするのがいいでしょう。
これでも、解決しない場合は、裁判をして、それによって得た勝訴の判決正本と確定証明書を添付し、残りの相続人の書類つけることによって登記をすることができます。
また、裁判中にその土地を売られてしまう危険があるようなときは処分禁止の仮処分の登記をしておく必要があるので、必ず司法書士に相談してください。


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Q5親は子の遺産分割を勝手に決めていいの?

遺産分割協議は相続人全員でする必要があります。
未成年の子供が相続人であるような場合が問題になります。
遺産分割は、利害を伴うものですから利益の相反する者(利益相反者)が一方の代理人になること(双方代理)は法律で禁止されています。
よく、問題になるのが、夫が若くして亡くなって、その相続人が妻とその未成年の子供が複数いるような場合です。

この場合、確かに母親は子供の親権者であり法定代理人として子供の財産を管理することができるのですが、遺産分割となると話は別です。
なぜならば母親と子供の利害が相反するからです。
つまり、母親の取り分が多くなれば、それだけ子供の取り分が減ってしまう関係にあるからです。

このような場合は、子供について特別代理人の選任を家庭裁判所に申立てる必要があります。
子供が2人いれば、それぞれに特別代理人を申立てる必要があります。

この特別代理人には、一般的に子供の叔父や叔母がなることが多いようです。
そして、母親と特別代理人によって、遺産分割協議をすることになるのです。

また、母親が内縁であって相続人ではない場合で子供2人のみが相続人であっても、この親権者である母親が代理人となれるのは子供のうち1人だけであって、2人について代理人になることはできません。
これも子供同士で利益が相反するので、母親1人が代理人になると、どちらか1人にえこひいきする可能性があるからです。
これらに違反した遺産分割協議は無効となりますので気をつけて下さい。


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Q6葬式費用は誰が負担するの?

被相続人(亡くなった人)が生前、会社に多大な功績を残してきた場合などは、葬式の費用を全部会社がもってくれるなどして会社葬になることがあります。
この場合、相続人は葬式の費用を一切出していないのですから、当然葬式費用は相続財産から控除されないことになります。
また、一般の葬式費用の場合でも、それが相続財産から控除できるのかできないのかは、結構微妙な問題です。
一応、法律では『身分に応じた葬式費用』であれば相続財産から控除できるとされていますが、どこまでが身分に応じたといえるのかという判断は、社会常識などを考慮しながら個別具体的に判断する必要があります。

つぎに、葬式費用は誰が負担するのかという問題があります。
これには喪主負担説相続人または遺産負担説があり、どちらにも決定的な判例はなく、これも慣習や条理によって判断するしかありません。
もし、争いになれば調停・審判・訴訟で決めるしかないでしょう。


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Q7生命保険金は誰が受け取ればいいの?

生命保険金の受取りの問題で重要なのは『受取人』が誰になっているのかということです。
仮に、受取人に特定の者を指定してあれば保険契約上は指定を受けた者が契約上独自に請求権を取得するのであるから、これは相続財産にはならないので、その指定を受けた者が相続放棄をしようが関係なく保険金を受け取ることができます。
よって、遺産分割の対象になることもありません。

しかし、受取人が『相続人』となっていた場合はどうでしょうか?
相続人以外に包括受遺者がいる場合、その保険金の請求権が相続財産に含まれるのかどうかが問題になります。
なぜならば包括受遺者も遺産分割を受ける権利があるからです。
判例の多くは、この場合も保険金請求権は相続財産ではなく、相続人である個人が保険契約上直接に権利を取得するのであるから、包括受遺者は相続法上相続人と同一の権利義務を取得するだけであり保険法上の権利に割り込むことはできない、としています。
ただし、この理論を貫くと、相続人間に不公平が生じるので、保険金は遺産分割の際に特別受益および遺留分減殺請求の対象になると考えられています。


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Q8遺産の一部のみの分割協議は有効?

遺産の一部が分けやすい現金であり、残りが不動産であるような場合や、とり急いでこの遺産の分割だけはやっておきたい、などといった事情もあるでしょう。
判例では、このような遺産の一部の分割協議を有効としています。
ただし、一部分割の部分を残りの協議から除外するものと、残りの協議で一部分割での過不足を調整するべきだとするものがあります。
また、後の協議がうまくいかない場合は審判によることになりますが、このとき先行した一部分割の協議が不成立または無効の事情があると判断されれば、結局は遺産全部についての審判がされます。


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Q9借金が多いと騙されて相続放棄の手続をしてしまった!

借金が多いような場合は相続放棄をすれば、借金の負担を負わないで済むのですが、この相続放棄は相続開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければいけません。
一度、放棄をするとたとえ3ヶ月の期間内であっても、撤回できません。
しかし詐欺・強迫にあった場合や未成年者が法定代理人の同意を得ないでした場合など一定の場合には放棄の取消しが認められています。
この放棄の取消し期間は追認することができるとき(詐欺にあった場合でしたら、騙されているのに気づいたとき)から6ヶ月以内または放棄のときから10年以内にしないと消滅してしまいます。


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