遺言書

遺言を残すほどの財産とはどのくらい?

自分には遺言書を残すほどの財産はないと思っている方も多いとは思いますが、実際に家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割事件における遺産総額はどのくらいなのでしょうか。テレビドラマの影響もあるかと思いますが、骨肉の相続争いというと遺産が何億円もあるような家族を想像してしまいがちですが実際は違います。

※平成24年度

遺産総額1000万円以下5000万円以下1億円以下1億円以上
全体に占める割合約33%約44%約12%約7%

現実の遺産分割でトラブルになっているのは5000万円以下が最も多く、実に全体の3分の1が1000万円以下なのです。これは、遺産が多い人ほど遺言書を残すなどして生前に相続対策をきちんとしているので、相続トラブルになることが少ないからです。これに対し、自分にはそれほどの財産がないと思い、生前に何もしなかった人の方が、実際には残された相続人の間で骨肉の相続争いが起きてしまうことは決して珍しくないのです。

まとめ
遺産分割のトラブルは遺産総額が5000万円以下が全体の7割超を占める

相続トラブルを未然に防ぐには

相続を争族にしないためには、生前に遺言書を作成しておくことをおススメします。なぜなら、相続トラブルが発生している多くのケースでは、亡くなった被相続人が生前に遺言書を作成していないからです。もし、生前に相続人が納得できるような遺言書を作成しておくことができれば、相続人も亡くなった被相続人の意思を尊重してくれるでしょうから、相続人同士の骨肉の争いを未然に防ぐことができます。

まとめ
遺言書を作成して相続が争族になることを防ぎましょう

なお、遺言書には、自分で書く自筆証書遺言と公証人が作成する公正証書遺言がありますが、公正証書遺言の方が安心・確実で相続人も納得する傾向があるので、当事務所では公正証書遺言を積極的に利用しています。また、公正証書遺言以外の自筆証書遺言などは、遺言者が亡くなった後に家庭裁判所に検認の申立てをしなければならないので、相続人の負担や遺言執行までにかかる時間という点からも公正証書遺言がおススメです。もちろん、できるだけお金をかけずに手軽に遺言書を作成したいという場合は、遺言の効力に違いはないので自筆証書遺言を作成するというのも一つの選択肢です。

まとめ
遺言書を作成するなら公正証書遺言がおススメ!

遺言に対する誤解

まだまだ実際に遺言書を作成している方は少数です。しかし、すでに述べたとおり、現実に遺産分割でトラブルになっている7割以上は遺産総額が5000万円以下の場合なのです。この事実からもわかるとおり、遺産総額が少ないことは遺言書を作成しない理由にはならないことは明らかです。ここでは、その他に考えられる誤解をいくつか挙げておきますので、これを機に遺言に対する誤解を解きましょう。

(1)家族円満だから遺言は必要ない
(2)まだ若いので遺言を書くのはまだあとで良い
(3)そもそも遺言を書いてもそのとおりになるか疑問
(4)自分の財産を自由に使えなくなるのではないか
(5)子どもが安心してしまい、老後の面倒を見てもらえなくなるのではないか
(6)自分の死を前提とする遺言は縁起が悪い
家族円満だからという誤解
確かに、あなたが生きている今現在は家族が円満であっても、それはあなたが生きていることで保たれているだけかもしれません。もし、あなたがいなくなったらどうなるかを想像してみてください。どんなに仲が良い家族でもお金の問題でトラブルが起きないとは言い切れないと思います。
まだ若いからという誤解
遺言書は、どうしても歳を取ってから書くものというイメージがあります。しかし、人間誰しも、いつどこでどうなるかわかりません。そのような万が一の事態に備えて遺言書を書いておくことは残される家族に対する思いやりといえます。また、いざ遺言書を書こうと思ったときは、すでに大病を患ってしまい満足な遺言を書ける状態とは限りませんし、判断能力が衰えていたりすると、遺言の効力自体が問題視されてしまう可能性があります。
遺言の内容が実現されないのではという誤解
遺言は自分が死亡したときに効力が発生するので、遺言者は遺言の内容が実現されたかどうか確かめることができません。しかし、遺言の内容ができるだけ実行されるようにあらかじめ遺言執行者を指名しておくこともできますし、負担付遺言をすることもできます。負担付遺言では「年老いた妻の面倒を見る条件で財産をあげる」等と書くことで遺言の実行が担保されやすいようにすることができます。
財産を自由に使えなくなるという誤解
たとえ遺言書で特定の者に特定の財産をあげると書いたからといって、遺言者がその財産を使えなくなるというわけではありません。もし、遺言を書いた後にその財産を使ってしまった場合は、その部分においてのみ遺言を撤回したとみなされるだけなので、それ以外の部分に関してはなお有効です。そもそも、遺言は自分の死後に効力が発生するものであり、遺言を書くという行為は相手のいない単独行為ですから、生きている間に自分の財産を自由に使うことはなんら後ろめたいことではありません。
老後の面倒を見てもらえなくなるという誤解
親が多額の財産を持っていれば持っているほど、その子どもは財産を当てにしてしまいがちです。ただでさえそうなのに、遺言書で子どもに財産をあげることを約束してしまうと、子どもが安心してしまい、遂には見捨てられてしまうのではないかと不安になってしまいます。しかし、遺言者はいつでも自由に遺言を撤回できるので、子どもに見捨てられてしまう不安があるのであれば、遺言はいつでも自由に撤回できることをハッキリと子どもに伝えておいてもいいでしょう。
縁起が悪いという誤解
確かに、遺言書は自分が死ぬことを前提にしたものなので、なんとなく書く気が起きないというのが人情です。しかし、実際は遺言書を書いて良かったと思う方がほとんどです。なぜなら、遺言書を書くことでそれまでの自分の人生を振り返ることができますし、遺言書を書くためには自分だけではなく家族の将来を真剣に考える必要があります。そうして出来上がった遺言書を見ると、ほとんどの方がある種の達成感を得ているようです。

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